9.自殺への思い
うつ病になると、気持ちが沈み込んでつらくてたまらないために、死んだ方がましだと考えるようになってきます。
欧米の研究では、入院が必要なほどのうつ病にかかった人の15 パーセントが自殺で命を落としていることがわかっています。
うつ病のときには自分の気持ちを抑える力が弱くなっていますから、普通のときなら考えられないような思い切った行動をすることが多くなるのです。
一般的には、うつ病が少し良くなったときに自殺の危険性が高くなるといわれています。
気分が沈み込んで何をする元気もなくなっているときには、死のうと思ってもそれを実行に移すだけの元気さえ出てきません。
しかし、少し症状が良くなると、死にたいと考えれば、その気持ちをすぐに行動に移せるようになります。
しかも、こうしたときには本人の気持ちとまわりの人の考えとが食い違いやすくなっています。
症状が良くなってくると、外見上は元気に見えるようになるのでまわりの人は安心してしまうのですが、うつ症状が強かったときのつらい記憶は簡単に消えないために、本人は良くなったという自覚をもてないことが多いからです。
こうした食い違いがあると、本人は誰にもわかってもらえないと絶望的になり、自殺を考えやすくなります。
自殺への思いの症状の人への質問
- 死について何度も考えるようになっていますか?
- 気分がひどく落ち込んで、自殺について考えるということがありますか?